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Windowsでプログラミングに最適なフォントを探す

2007-08-15 13:03 Posted by
nase
in : プログラミング
hamster.jpg

Windows(XP)ユーザの私はこれまで何の疑問も持たずにMSゴシックのフォントを使っていましたが、先日こちら↓の記事を読んでプログラミング向けのフォントというものに興味を持ちました。

人によってまちまちですが、見易さや生産性にかなり影響する(と思っている)プログラミング時のフォントについて紹介します。
(ウノウラボ : プログラミングに使いやすいフォントを選ぶ)

特に「ゼロ・オーは斜線で区別がつく」という点は魅力的です。(スラッシュドゼロと言うらしい)

仕事柄エディタに向かっている時間も長いので、これを機会に自分もプログラミングに使いやすそうなフォントを探してみました。

また、私はWindowsのClearTypeがあまり好きではないのですが、今回これの代替となるツールを発見し、環境を劇的に改善することができました。

ここではそれらの情報をシェアしておきます。

コーディング作業に使いやすいフォント

まずは肝心のフォントです。

M+2VM+IPAG circle

上の記事の方も使われているというM+フォントは、単体では漢字が足らないため他フォントと合成して使う必要があります。

しかしWindowsでは合成作業にCygwinが必要であったりと非常に面倒なので、合成済みで公開されているものをありがたく使わせていただくのが一番お手軽です。

こちらは情報処理技術者試験でお馴染みのIPAが作ったというIPAGフォントと合成したもの。

m2vmipagc.gif

等幅化がなされているほか、半濁点(「゜」や「゛」)が大きめに修正されているのが特徴です。

「@(アットマーク)」が隣のbとくっついているのと「~(チルダ)」の位置が低いことを除けば、全的的に好みのデザイン。

VL ゴシック

こちらも同じくM+フォントを元に日本語対応させたもの。

日本語部分はさざなみゴシックフォントがベースになっているとのことです。

vlg.gif

個人的には「&(アンド)」の形が特種なのと、ほかのフォントと比べて行の高さが高いのが気にかかります。

KonatuTohaba

こちらは既に単体で日本語に対応しているフォント。

ゼロは斜線付きのスラッシュドゼロになっているほか、若干太めで丸っこいアルファベットのデザインも非常に上手くまとめられている印象です。

konatu_tohaba.gif

こちらも「&(アンド)」の形がちょっと特種。

Osaka-等幅

Mac OS日本語版の標準フォントであるOsakaフォントをWindowsで使えるよう再現したもののようです。

上記リンク先の「Osaka.zip」に等幅フォントが含まれています。

osaka_t.gif

さすがに視認性が高く、人気が高いのもうなずけるデザイン。

上記の中ではこれが最も「@(アットマーク)」や「&(アンド)」の記号にクセがなく、自然です。

ゆたぽん(コーディング)

名前の通り、まさしくコーディングに特化した日本語対応フォント。

「|(パイプ)」や全角スペースまで見分けやすくなっています。(Vimは全角スペースを記号で表せないので、これはありがたい)

yutapon_coding.gif

スクリーンショットはレギュラータイプですが、この他ボールドなんかもいい感じ。

手書き風のデザインもかわいらしくて好きです。

GDI++ FreeType版

特定アプリケーションのみでアンチエイリアス

さて、ここまで紹介してきた各スクリーンショットのテキストには、輪郭を滑らかにするアンチエイリアスがかかっています。

実はこれ、WindowsのClearTypeは使っていません

gdi++.dllというツールを使って、gVimのエディタ部分のみにアンチエイリアス処理を適用しています

gdi++.dll は、 Windows の gdi32.dll に代わってフォントのレンダリングを行い、これまでになく美しいスクリーンフォントを実現するオープンソースのソフトウェアです。
(gdi++.dll @ wiki)

ClearTypeとは違い、内部で一旦拡大したフォントを用意しそれを縮小表示するという独自のレンダリング方法を使い、特定アプリケーションに対してフォントにアンチエイリアシングをかけることができます。

表示サンプル

以下はgdi++.dllを使ってMSゴシックを表示した例。(まさに劇的ビフォア・アフター!)

ビフォア(アンチエイリアスなし)

msg_bef.gif

アフター(gdi++.dll適用)

msg_aft.gif

ClearTypeと違い、境界にほとんど色むらが発生しません。(そもそもClearTypeにはこのサイズのMSゴシックにアンチエイリアスをかけられないという欠点もあります)

設定Tips

設定ファイルで「MS UI Gothic」や「Tahoma」をExclude(除外フォント)に指定しておけば、gdi++.dllを適用したアプリケーションでWindowsのメニュー部分にアンチエイリアスがかかって滲んでしまうことを回避可能

なお、gdi++.dllは適用したいアプリケーションのexeファイルをgdi++.exeにドラッグ&ドロップして使用する形になっています。

アプリケーションを実行する度にこれを行うのは面倒なので、gdi++.exeのショートカットを作成し、プロパティの「リンク先」として「”C:\~\gdi++.exe” “C:\~\対象アプリ.exe”」(間にスペースあり)と設定してやればこのショートカットからgdi++.dllを適用した状態でアプリケーションを起動できるようになって便利。

またその際ショートカットのアイコンも、参照ボタンから実行ファイルを指定すれば元のアプリケーションのものが使用できます。

WindowsユーザでClearTypeが嫌いだという方は、是非このツールを試されてみては如何でしょうか。

参考ページ

Comments»

1. ひ - 2007-8-30

久しぶりの font 選びができて楽しかったです。
ぼくも vim 使いなので、このページを参考にさせていただきました。
ありがとうございました。

2. nase - 2007-8-30

コメントありがとうございます~。参考にしていただけたようでよかったです。好みのフォントが見つかると、いっそうエディタに愛着がわいてきますね。

3. monad - 2009-8-19

本当に、ありがとうございます。
開発をW2Kでやっているので、最近のMSのフォントを使えなかったんです。
GDI++によって、コーディングの楽しさが増すような感じです。
ありがとうございます。

4. nase - 2009-8-19

どうもです!記事を書いてから結構経ちましたが、現在もGDI++愛用中です。W2Kでも役立つのですね。

5. ゲスト - 2012-9-17

何か勘違いをされているようなので、指摘しておきます。「M+ と IPAフォントの合成フォント」は、見ての通り、ゼロとオーが区別できていません。
オリジナルの IPAフォントは区別できていたにもかかわらず、M+ と合成するさいに、その利点を全部そぎ落としています。あなたが記述しているサイト上の画像に、はっきりと証拠が残っています。
合成した人にとっては、IPAフォントの ちょうしょを残すことよりも、M+の短所をより多く残すことのほうが重要だったようです。
まあ、これが人間です。

6. nase - 2012-9-17

コメントありがとうございます。「M+2VM+IPAG circle」として紹介しているフォントのことであれば、記事内の画像でもスラッシュドゼロになっています。(モニタによって見づらい場合があるのかもしれません。)
最新のフォントは試していませんが、リンク先のサイトを見る限り、等幅フォントは現在もスラッシュドゼロになっているようです。


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