最近、オブジェクト指向スクリプト言語のRubyと、これをベースにしたWebアプリケーションフレームワークであるRuby On Railsの勢いをひしひしと感じます。
私がRubyとRailsに興味を持ち始めたのは今年の3月くらいからで、つきあいはまだまだ浅いんですが、現在は参考書片手にもっぱらRailsを勉強中です。
Railsは「Javaの10倍の生産性」などと言われて大変もてはやされており、国内での導入事例も次第に増えてきています。
しかし、現在はどうも話題だけが先行しており、Railsの中身についてまで理解している技術者はまだ一部に限られるのではないかと感じます。
Railsはその生産性の高さもさることながら、初心者にとっては敷居の高いかなり複雑な仕組みで動いています。(私もまだ一部しか理解できていません)
私のようなプログラミング経験の少ないへっぽこ技術者がRailsについて勉強しようとしたときには、実際いくつかの壁がありました。
今回は特に、プログラミング初心者のRails学習における参考書の選び方について紹介します。
Amazonランキングの落とし穴
記事投稿現在、Amazonで「Rails」と検索した結果で上位に表示されるのは以下の2冊です。
多くの方がこの検索結果を基に参考書を選ぶのではないかと思いますが、実のところこの2冊はあまり初心者向けではありません。(私はそう感じました)
「Railsによるアプリケーションの構築方法を具体的な例を豊富に交えながら説明。Railsの背景にある概念と、事例として作成するアプリケーション、またRailsのすべての機能について深く掘り下げて解説する。」
海外におけるRuby伝道師的な存在?であるデイブ・トーマスさんが書かれた本で、レビューを見ても確かに評価の高い本です。
しかし、内容はコードに溢れ、訳書独特の読みづらさもあって残念ながら入門書としては適しません。
「オブジェクト指向の基本からWebアプリケーションの作りかた、プラグインからテスト、改造までを解説。Rubyの初心者にも、RubyだけでRailsは使ってない人にも、既にRailsを使っている人にも役立つ入門書。」
こちらは日本人の方が書かれており、フレームワークの中身まで細かく解説されていてRailsに対する理解を深めるには向いていそうです。
ただし「入門」というわりにはRailsに対するイメージがつかみづらく、これだけを最初に読んでもRailsを理解することは難しいでしょう。
これら2冊は、ある程度Railsの概要を理解してから読むことで最大限に効果を発揮するものと思います。(個人的には二冊とも読みづらくて好きにはなれませんが)
最初に読むべきRails参考書
では、まったくの初心者がRailsについて学習する際には、どの参考書を選べばよいのでしょうか。
一通りの参考書をチェックしてきた私がお勧めするのは、こちらの2冊です。
かんたんRuby on RailsでWebアプリケーション開発
「10日間のカリキュラムでRubyとWebアプリケーションの基本が自然と理解できる、オススメの入門書です。」
Amazonでの評価こそ低いですが、大変分かりやすい良書です。
個々のカリキュラムは実践チュートリアルとそのコードの解説で構成されており、「やってみる→理解する」の流れでスムーズに読み進めることが出来ます。
初心者がゼロからRailsを理解しようとするのであれば、この本をお勧めします。
ライド・オン・Rails Ruby on Railsを徹底攻略
「実践的なチュートリアルから、標準ジェネレータ/スクリプトの解説、国際語対応、全文検索、Ajax RSS Readerの作成、エンタープライズ利用までRailsノウハウを凝縮。」
こちらの本にはより具体的なテクニックと、Railsの要素に対する整理された情報が含まれます。
冒頭のRails概要解説も分かりやすく、「かんたんRuby on Rails~」と併せて初心者(~中級者)にお勧めの参考書です。
また、巻末にRailsの統合開発環境(IDE)であるRadRailsの使い方も掲載されており、ここだけでも最初に読んでおくとIDEを使った快適な環境で学習が進められます。
私はこの2冊でRailsの全体イメージをつかみました。
その他の参考書
上記で触れてこなかった参考書についても、少し書いておきます。
「本書では、Ruby on Railsの持つ上品でスピーディーな開発を読者に伝えるため、実際に動作するスケジューラの開発を題材にステップバイステップで解説を行っています。」
「かんたんRuby on Rails~」とともに入門書として人気の高い本です。
ただし、この本は前半のほとんどが会話形式で書かれており、私が唯一スルーした本でもあります。(登場人物の会話で話が進む構成)
会話形式の本が苦手なのは私だけではないと思うので、店頭で確認してから購入されることをお勧めします。
「本書は”Ruby on Rails”を、”Webアプリケーション”も”Ruby”も”プログラミング”さえまったく初めてという人にも理解して使えるように解説したものです。」
著者の方には悪いのですが、「Javaに詳しい主婦がRailsにちょっと触ってみて書いた本」という印象しか残っていません。
ただ、Rails自体のカスタマイズにも触れていたと思うので、そのあたりに興味がある場合は役に立つ可能性があります。
Web上の日本語情報
参考書に関する情報は以上です。
私もまだまだRailsの入り口しか理解できていませんが、これらの著者の方々に感謝しつつ、もう少し勉強してゆきたいと思います。
さて、最後にちょっとおまけ。
Railsに関して、現在のところWeb上では技術者のブログなどで断片的な情報は見つかるものの、しっかりと整理された情報はまだまだ少ない印象です。
とりあえず見つけることの出来たサイトについて、ここに載せておきます。
RubyとRailsに対する理解が進み、今後ますますこの素晴らしい言語とフレームワークが普及してゆくことに期待します。
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